
普段の業務でスプレッドシートを使っていると、「#DIV/0!」や「#N/A!」、「#VALUE!」といった表示を見たことがある人は多いかと思います。
どれも計算結果が無効だったり、該当する値がなかったりする場合に表示されるエラー文言です。
そんなとき、役に立つのが今回ご紹介する「IFERROR関数」。
エラー文言を、別の文字列や空白セルに置き換えることができます。
計算が楽になったり、業務が効率化するようなものではありませんが、
「ひと手間加えるだけで、表の見た目がぐっと良くなる。」
IFERROR関数はそんな関数です。
覚えておくと資料作成で同僚に差をつけることができますよ。
今回は、GoogleスプレッドシートにおけるIFERROR関数の基本から応用、実例まで解説します。
- 「#DIV/0!」「#N/A!」「#VALUE!」といったエラー表示をなくしたい。
- 計算結果がエラーになるときに、別の文字列を表示したい。
- エラー表示ばかりのスプレッドシートをすっきりした見た目にしたい。
今日の公式
項目 | 説明 |
値 | エラーかどうかチェックする数式を指定します。 エラーではなかった場合、この数式の結果が表示されます。 |
エラー値 | 値で指定した数式がエラーだった場合に表示する値です。 指定しない場合は、空白を返します。 |
IFERROR関数の解説
下図の「売上管理表」を見てください。
この売上管理表のように「先に関数だけ組んで、あとで実績値を入力していく」なんて運用、よくやりますよね。
E9セルを見ると、客数が未入力(つまり0)のため、客単価を求める割り算で「#DIV/0!」というエラーが表示されてしまっています。
(「#DIV/0!」は、割り算の分母が0のときに表示されるエラーです。)
今回は、このようなエラー表示を別の文字列や空白セルに変更する方法を解説していきます。
1数式全体をIFERROR関数で囲む
まずは、エラーが出ている数式全体を、IFERROR関数で囲みます。
2数式がエラーだった場合に表示する値を指定する
次に、数式がエラーだった場合に表示する値を指定します。
- 数字を返す
- 文字列を返す
- 空白にする
の3つそれぞれ記述の方法が少し違います。
まず、数字を返したい場合は、そのまま数字を記載します。
次に、文字列を返したい場合は、「""(ダブルクォーテーション)」で文字列を囲います。
たとえば「未入力」と表示したい場合は、以下のように記述します。
単純に空白セルにしたい場合は、空白の文字列を返すか、なにも指定しないかの二通りのやり方があります。
以上となります。
残りのセルにも同様にIFERROR関数を組み込むことで、エラー表示をなくすことができます。
※下の図では文字列「未入力」を返しています。
IFERROR関数の使用例
さて、IFERROR関数は、上記の解説以外にも活用することができます。
ここでは、IFERROR関数のよくある使用例をご紹介します。
1割り算と組み合わせる
解説でも紹介した割り算と組み合わせるケースです。
- 客単価を計算する式を組んだが、実績が未入力のため、エラー表示になる。
- 前年比の成長率を計算したいが、前年実績が0のため、エラー表示になる。
といったケースが考えられます。
2VLOOKUP関数と組み合わせる
IFERROR関数は、VLOOKUP関数と組み合わせることも多い関数です。
VLOOKUP関数の公式は
ですが、「検索キー」で指定したものが「範囲」になかった場合、「#N/A」というエラーが表示されてしまいます。
このエラー表示を回避したい場合は、次のように記述します。(空白セルにしたい場合)